就活のエントリーシートもAIにお願いすれば楽勝だ!
その考えは危険かもしれません。理由を解説します。
こんにちは、よっしぃーです。
米国の新興企業であるオープンAIが開発した対話型人工知能(AI)である【ChatGPT】は、学生の就職活動に大きな変化をもたらそうとしています。選考の進行に必要なエントリーシートの作成や、面接への対応などにも活用されることが予想されます。学生が生成型AIを活用する際、どのような例があるのでしょうか。また、活用に際して注意すべき点は何でしょうか。人事担当者の視点から解説していきます。
生成系AIの活用例
自己PRの作成
自分のプロフィールや経歴をAIに学習させて、「自己PRを300文字で作成して」と入力することでAIが見事にプロフィール文章を作成してくれます。しかし、そのままでは文書に味気もなければ、特徴もないため、最低限、以下の3つの作業を追加しましょう。
- アピールしたい項目やエピソードの書き足しの補助
- 必要ない要素の削除
- 自分らしさの付け足しは忘れずに
面接での対策
作成したエントリーシートをもとに、そこから想定される面接で聞かれる質問を作成してもらうことができます。「あなたは企業の面接官です。入力したエントリーシートの情報からどのような質問がくるか3つ教えて」このようなプロンプトを入力すれば、質問を出してくれます。面接対策にも役立つでしょう。あくまで想定であることは忘れないようにしょまよう。想定通りをいかないこと頭に入れておくことが必要です。
生成系AIの活用の注意点
当たり前の話ですが、生成系AIが良い提案をしてくれたからと言って自分を装っても、嘘はすぐにバレます。
AIが作成した文章をそのまま利用して、自分の言葉が全く入っていないエントリーシートの場合は面接時に質問のやり取りをしているうちに、すぐに分かってしまいます。
良い言葉や表現でAIが提案してくれたとしても、自分でよく理解していない言葉や漢字などは答えられるような文章に見直しをしましょう。
企業情報についてもAIに聞けば、回答をしてくれるが、情報源がはっきりしないことより、ちゃんと会社のホームページで確認することが得策です。
個人情報を入力した場合は、その情報が学習データとして利用されることを意識する必要があります。個人情報や固有名称と扱いには十分な注意を図りましょう。
人事担当の本音
人事担当の本音と言えば、選考においてエントリーシートの内容は完全に無視されるわけではありませんが、あまり重要視されません。むしろ、面接でより詳しく質問をするための情報源として利用されています。つまり、AIに文章作成を完全に任せ過ぎると、深掘りした質問に対して応答が不自然な場合にすぐに気付かれてしまいます。
さらに、生成系AIの文章では個性や熱意が明確に表れない傾向があります。面接官から「エントリーシートの作成にChatGPTを活用しましたか?」「活用した場合、どのように活用しましたか?」といった質問が出ることもあります。したがって、ChatGPTをツールとして利用したことを明確に示すようにしましょう。重要なのは、エントリーシートが何のために作成されているか、その本質を理解することです。選考をクリアすることだけを目標にしてはいけません。
SE目線の私見
生成系AIは社会に驚異的な変化をもたらしており、SEにも多くの影響を与えることは間違いないでしょう。今まで、プログラムを組むことができるプログラマーはある意味職人技であり、特殊スキルであった時代も、いよいよ崩れていく時代になりつつあります。新たなエンジニア分類として、プロンプトエンジニアという名称が生まれつつあり、プログラムを組む能力よりも、AIを使いこなして(プロンプトを上手く打ち込むことで)プログラムを組む能力が求められる時代に変化していきます。50代や60代の年配の方々からは「プログラムを組む時代でSEでよかった」という声も聞こえてきます。それは、複雑さについていける自信がない気持ちの表れかもしれません。インターネットが世の中に普及した時や、iPhoneが登場した時も、最初はみんな試行錯誤の連続でした。この生成系AIも、世界中の人々がより使いやすくなるための様々なツールやサービスが生まれ、生活の一部(ツール)となる日も近いかもしれません。