
気が付いたら後継者がいない・・次世代を担う管理職の育成方法は?

過信は禁物、早期に管理職の育成について考えてみましょう。
こんにちは、そのみちです。
後継者となる管理職育成のためにすべき5つのチェック
「若手がなかなか育たない」「リーダー不足でプロジェクトが回らない」――そんな悩みを抱える企業も多いのではないでしょうか。その結果、管理職(課長クラス)が現場作業とマネジメントを兼務する「プレイングマネージャー」として多忙を極める状況が生まれています。
さらに、課長クラスを乗り越えた管理職が部長職以上になると、ポジションが大きく変わり、「誰かから教わる」という機会が激減します。自ら学び続けない限り、日々のルーチンワークをこなすだけで成長が止まり、気づけば「定年も間近で厄介者扱い」という事態にもなりかねません。
次世代を担う管理職の育成は、多くの企業にとって喫緊の課題です。本記事では、現状の課題を整理し、後継者となる管理職を育成するための具体的な取り組みを解説します。
現在の管理職が抱える課題
まずは、自社の現場で管理職(後継者候補)がどのような状況にあるのかを想像してみてください。以下のような課題に心当たりはありませんか?
- 「プレイングマネージャー」という名の「プレイヤー」状態
メンバー育成やマネジメントに時間を割く余裕がなく、現場の作業ばかりに追われている。 - 部下への適切な伝達ができていない
経営方針や決定事項が部下に共有されず、情報の分断が発生している。 - 時代に適応しない育成方法
「自分が教わったやり方」をそのまま押し付けるなど、現代の価値観に合わない教育が行われている。 - 我流のこだわりを部下に強要
管理職自身の経験や方法論に固執し、柔軟性を欠いた指導を行っている。
これらの課題が放置されると、管理職の下にいる若手や中堅社員がモチベーションを失い、成長が止まってしまう可能性があります。
後継者育成が困難な理由
後継者となる管理職を育成することは簡単ではありません。その背景には以下のような要因があります。
1. マネジメントの体系化が難しい
企業ごとに異なる独自のルールや文化があるため、マネジメントを体系化するのが困難です。また、時代に応じてマネジメント手法が変化していくため、常に学びと更新が求められます。
2. 育成できる人材が不足している
優れた管理職を育成するには、指導役のマネジメントスキルが必要です。しかし、現状の管理職にその余裕がなく、フィードバックの機会も少ないため、次世代育成が後回しになりがちです。
3. 外部支援への抵抗
コンサルティング会社に頼むことも選択肢の一つですが、社内のプライドや長年の社風が足枷となり、外部の力を借りることをためらう企業も少なくありません。
後継者となる管理職育成のための5つのチェック
では、次世代を担う管理職を育成するために企業が行うべき5つのポイントを見ていきましょう。
1. 管理職の現状把握
現在の管理職がどのような状態にあるのかを把握することが最初のステップです。具体的には以下の方法を活用します:
- 上司からのフィードバック:管理職が抱える課題を明確にする。
- 360度評価:部下や同僚からのフィードバックも含め、多角的に評価を行う。
2. 理想の管理職像を学ぶ
「あるべき管理職像」を具体的に示すことが重要です。
- 管理職として必要なスキルを把握する。
- 管理職研修やセミナーに参加し、スキルを見直す。
- 社長や経営層との意見交換の場を設けることで、ビジョンを共有する。
3. 他社との交流を促進する
外部との接点を持つことで、自社にはない視点や手法を学ぶことができます。他社との交流や業界の勉強会に参加する機会を積極的に提供しましょう。
4. 成長を意識した仕組み作り
管理職に学びの機会を与えるだけでなく、それを実務に活かし、振り返る仕組みを構築します。
- フィードバックをもとに具体的な改善を行う。
- 実務での成果をもとにさらにスキルアップを目指す。
5. 継続的な取り組み
一度の研修や取り組みで終わりではなく、定期的に振り返りと改善を行う仕組みを設けます。成長には時間がかかるため、継続することが何より重要です。
育成を成功させるための連携
これらの施策は、管理職個人だけで成し遂げられるものではありません。社長や経営層、人事部門が連携し、全社を挙げて取り組むことが必要です。明確な目標を設定し、全員がその達成に向けて協力する体制を作りましょう。
そのみちコメント
SEとして多くのプロジェクトに関わる中で、現場から管理職へとステップアップする場面を数多く目にしてきました。しかし、現場のリーダーとしてのスキルと管理職としてのスキルは、まるで別物です。プレイヤーとして優秀であった人が、管理職としても成功するとは限りません。
日本企業では、依然として「管理職にならなければ給与が上がらない」という制度が多く残っています。その結果、本来管理職に向いていない人が昇進し、結果として組織が停滞するケースも見受けられます。
重要なのは、「人を育てることが自己成長につながる」という考えを管理職自身が理解することです。管理職が学びを続け、部下の育成に力を注ぐことで、組織全体が成長し、活性化していくのではないでしょうか。
まとめ
次世代の管理職育成は、企業にとって長期的な成長の鍵を握る重要なテーマです。後継者育成には時間と労力が必要ですが、その取り組みは、企業の未来に大きな影響を与えます。管理職が「学び」「育てる」姿勢を持ち、全社的なサポート体制のもとで成長していける環境を整えていきましょう。