彼は仕事はできるが部長としては向いていないな・・
部長の仕事として最も重要な仕事ができていないのでしょう。
こんにちは、よっしぃーです。
日本の組織では、今でも組織マネージャーと言われる立場では課長、部長といった役職がある企業が多いです。
組織の中で、それぞれの役職ごとの役割定義というものが存在して、その役割に従って、任務を遂行することが基本になるのですが、組織で決められた役割通りに動けているのでしょうか。
管理職になってもその役割すらしっかりと理解できていない管理職も多いのではないでしょうか。「彼は部長の仕事はできていない」「彼は課長の器ではない」そのような発言も耳にすることもあるでしょう。
しかし、役割定義通りに任務をこなすことよりも、組織マネージャーの立場になった時に最も重要な仕事、それは「決定すること」です。
「決定すること」とは
組織にはやるべきことを決定する人と決められたことをやる人がいます。
組織マネージャーともなると、メンバーから上がってくる案件の判断や組織の目標や今期の取り組みなどと「何をやるか」を決定することが重要な役割となっていきます。
この決定することは組織内の階層が上がるにつれて、決定しないといけないことの仕事の比率が高まり、重要度も上がっていきます。ここで、間違いの無いように補足しておくと、決定するということは、決定事項に責任がついてくるということです。
自らで決定したことに責任を持たないマネージャーは役割を担っていないと判断されます。また、責任逃れに決定を他に委ねることも同様です。
「決定する」ことはどんな旗を立てて、どこに向かうかを思考を巡らせて決めることです。組織マネージャーになっても決まったことをやるだけで、忙しく日々過ごし、そのような働き方に慣れてしまい、ここから抜け出せない状態になってしまうケースもあります。
そのため、やることを決める人材になるために必要なのは「決める意思を持つ」ことが重要で、常にそういった意識を持っておくことが重要です。
役職別「決定すること」
それでは、役職ごとのどのような「決定すること」があるのでしょうか。
いくつかの例を挙げてみましょう。
- 課内の目標と戦略
課の目標と方向性を確定し、それに基づいて戦略を立案して決定します。目標達成のための具体的な計画を立てることも必要です。
- チームの編成と役割分担
適切な人材を選抜し、各メンバーに適した役割を決定します。それぞれのスキルや能力を最大限に活かし、効果的なチームを形成することで、業務の効率性や品質を向上させることができます。
- リソースの配分と予算管理
限られたリソースを最適に活用するために、予算の立案やリソースの配分を決定します。部長との調整をしながら、予算や資源を効果的に管理し、目標達成に向けた取り組みを行っていきます。
- 部門戦略の策定
組織全体の目標に基づき、部門独自の戦略を策定し、決定します。市場動向や競合状況を考慮しながら、市場シェアの拡大や売上増加などの具体的な目標を達成するために戦略を展開します。
- 組織のリーダーシップとチームビルディング
部門内のメンバーをリードし、モチベーションを高めることが求められます。そのための部門内のビジョンを明確に決定し、メンバーの成長を促進するための環境を整備することで、高いパフォーマンスを発揮するチームを形成します。
- 組織間の調整とコミュニケーション
他の部門や関係者との連携を図りながら、情報の共有や意思決定を行うことが必要です。組織内外のステークホルダーとの適切なコミュニケーションを通じて、目標達成に向けた連携を強化します。
- ビジョンの策定と組織の方向性の確立
組織全体のビジョンや長期的な目標を決定し、それに基づいて組織の方向性を確立します。市場の変化や競争状況を踏まえながら、組織の成長戦略や事業展開の方針を示し、社員やステークホルダーに対してビジョンを伝えます。
- リスク管理と戦略的意思決定
組織全体のリスクを把握し、それに対する対策を立案する役割が求められます。また、重要な意思決定において、投資家や株主とのコミュニケーションを通じて、信頼と共感を築き、将来のビジネス展望や投資方針を決定します。
- リーダーシップと組織文化の形成
組織の最高責任者として、リーダーシップを発揮し、社員の指導や組織文化の形成に向けた方向性やパーパスを決定します。組織全体のモチベーションや意識改革を促進し、個々の才能や能力を最大限に引き出すための環境を整備します。また、組織のパフォーマンスや業績の向上を見据え、必要な変革や改善を主導します。
「決定すること」に必要なスキル5点
創造性や想像力を重視して問題にアプローチする思考プロセスは最も重要です。新しいアイデアや独創的な解決策を生み出すことができるようになります。
既存の枠組みにとらわれずに、異なる視点やアプローチを探求し、非伝統的なアイデアを創出することができると決定することや判断において、精度が向上します。
イノベーションや新しいビジネスチャンスの発見につながることがあります。
論理的な思考と分析を重視して問題解決や意思決定を行うことも、組織マネジャーには重要といえるでしょう。
決められたことをやる人は根拠に基づいて行動する方が、間違いが生じないです。
客観的なデータや証拠をもとに、原因と結果の関係を理解し、事実に基づいた合理的な判断を下すことが決定する上には大切でしょう。推論や検証を通じて、論理的に妥当な結論に至ることできます。
冷静な判断や効果的な計画の立案につながります。
他のチームメンバーや関係者と円滑に意見を交換し、情報を共有する能力が重要です。
適切なコミュニケーションを通じて、異なる視点や意見を理解し、問題解決や意思決定に活かすことができます。
変化が激しい環境では、計画や戦略を柔軟に調整し、新たな情報や状況に適応できることが重要です。
柔軟な発想と対応力があれば、予測不能な状況にも対応できるでしょう。
課題や障害に直面した際に、論理的な思考と創造的な発想を組み合わせて解決策を見出す能力が求められます。
複雑な問題に対しても冷静に分析し、効果的な対策を講じることができるでしょう。
組織マネージャーとして役割を担うにためにはこれら5点のスキルは欠かせません。自ら常に磨いていく必要があります。
SE目線の私見
わたしの企業でも役職があり、それぞれの役割定義書が存在します。SEはそれぞれが抱えているプロジェクトや管轄するプロジェクトがあります。プロジェクトごとの特性も異なり、やることもある程度異なります。しかし、「決定すること」については一緒です。SEの現場では、プログラムを組む人、設計をする人、テストをする人、進捗を管理する人、顧客と調整する人、見積もりをつくる人、調査をする人と多くの役割があります。これらの役割は組織マネージャーの立場になっても、各現場リーダーに任せているだけでは事足らず、自らでもやらなくてはならない時もあります。そんな時に「決定すること」を怠り、現場任せになってしまうと、本来一番やらなければいけないことができない状況になり、責任の所在も曖昧になり、プロジェクトがうまく進行しません。そんな場面も数多く見てきました。組織マネージャーは「決定すること」そして、「責任を取ること」の仕事が最も重要な仕事であり、そのことを忘れないことが何より大切です。