
3年もたたずしてまた、退職願。どうにかならないものか

オンボーディングを取り入れてみてはいかがでしょうか。
こんにちは、そのみちです。
オンボーディングを採用に取り入れる3つのメリットと施策
「やっと成長してきた社員から退職願を出され、頭を抱える」という経験はありませんか?厚生労働省のデータによると、新卒社員の3人に1人以上が入社から3年以内に離職している現状があります。
主な離職理由として挙げられるのは、「人間関係への不満」や「業務内容への不満」。さらに、コロナ禍によるテレワークの普及に伴い、職場での直接的な交流が減少し、社員のエンゲージメント(会社や仕事への愛着心)の低下が深刻化しています。こうした状況では、昇給や福利厚生の改善だけでは離職率を下げるのは難しいかもしれません。
そこで注目されるのが「オンボーディング」です。オンボーディングとは、新入社員が早期に職場環境や業務に馴染み、人間関係を築けるよう支援する施策のこと。これにより、離職防止や生産性向上などの効果が期待できます。
オンボーディングとは?
「オンボーディング」とは、本来「船や飛行機に乗る」という意味を持つ言葉ですが、人事分野では「新入社員が会社に早く馴染むために行われる一連の支援や施策」を指します。
新入社員の3年以内の離職が課題となる中、オンボーディングはその離職率を下げ、長期的な人材育成を実現する重要な方法として注目されています。
オンボーディングを導入する3つのメリット
オンボーディングを採用に取り入れることで、企業には以下のようなメリットがあります。
1. エンゲージメントが向上する
オンボーディングによる手厚いサポートにより、新入社員が感じる「人間関係」や「業務内容」への不安が解消されます。その結果、会社や仕事への愛着が高まり、エンゲージメントが向上します。
2. 即戦力化と生産性の向上
オンボーディングを通じて、新入社員の会社や業務への理解を早めることで、即戦力化が実現します。これにより、早期に現場で活躍してもらえるだけでなく、チーム全体の生産性や仕事の質も向上します。
3. 離職率の低下と採用コストの削減
エンゲージメントが高まり、職場環境が良好になることで、離職率が低下。これにより、採用コストの削減や長期的な人材活用が可能になります。
オンボーディングの具体的な施策
では、オンボーディングを実践するには具体的にどのような施策を行えばよいのでしょうか?
1. 定期的な面談の実施
新入社員が抱える不安や悩みを早期に把握するためには、定期的な面談が重要です。通常の年1~2回の面談ではなく、隔月や毎月のペースで面談を実施することで、新入社員との信頼関係を構築できます。
2. メンター制度の導入
年齢や役職が近い先輩社員をメンターとして配置し、新入社員が気軽に相談できる環境を整えましょう。メンターは業務に直結しない悩みにも対応でき、職場への溶け込みをサポートします。
3. ランチ会や歓迎会の開催
業務が忙しいと、ランチ会や歓迎会が後回しにされがちですが、これらのイベントは新入社員との交流を深める絶好の機会です。事前にスケジュールを決めて定期的に開催することを心がけましょう。
4. オンラインでのサポート環境の整備
テレワーク環境では、オンラインでのサポートが欠かせません。新入社員が気軽に相談できるオンラインスペースを設けたり、オンラインでのランチ会や飲み会を開催することで、不安を軽減し、コミュニケーションを活性化させます。
5. 会社の価値観を共有する目標管理制度
新入社員が会社のビジョンや価値観を理解することで、経営層への共感や親近感が高まります。目標管理制度を活用し、新入社員が会社の方向性を共有できる仕組みを整えましょう。
そのみちコメント
「仕事とプライベートは分けて考える」「職場での人間関係はドライでよい」――こうした考え方を持つ人もいれば、仕事に対してもっと一体感を求める人もいます。人生の大半を費やす仕事だからこそ、できれば馴染んだ環境で快適に働きたいと考えるのは自然なことです。
「石の上にも三年」という言葉があるように、新入社員も最初は努力して職場に適応しようとします。しかし、馴染めなければ「自分には合わない」と感じ、退職を選ぶことも少なくありません。
オンボーディングを通じて「あなたは会社の一員である」と伝えることは、新入社員の帰属意識を育み、長期的な活躍を促すために非常に重要です。職場に馴染み、自分の存在意義を実感できた新入社員は、会社にとってかけがえのない人材となるでしょう。