計画段階ですべてが決まるOJT教育の進め方4つの心得

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OJT担当になったが、どのように指導すればよいのだろうか。

そのみち
そのみち

OJTは計画段階が重要です。進めるにあたって4つの心得を知っておきましょう。

こんにちは、そのみちです。

計画段階ですべてが決まるOJT教育の進め方4つの心得

新人教育を担当する皆さん、OJT(On-the-Job Training)を効果的に実施できていますか?

集合研修を終えて、現場での実務をスタートする新人が多い時期かもしれません。しかし、OJTを担当する先輩社員が、「自分の仕事だけでも忙しい」といった理由で、「新人にとりあえず作業を任せてみよう」「余裕ができるまでは自己学習させよう」などと安易に対応してしまってはいないでしょうか?

OJTは、新人に必要な知識や技術を伝える場であると同時に、教育担当者であるあなた自身が成長する機会でもあります。その姿勢を新人に見せること自体が、彼らの教育に大きな影響を与えるはずです。


OJTとは?

OJTとは、「On-the-Job Training」の略で、職場で実務を通じて知識や技術を習得させる教育訓練を指します。新人が実際の業務に携わりながら学ぶため、非常に実践的で重要な育成プロセスです。


OJTを始める前に

OJTの担当者として最初に行うべきことは、新人がどのような不安を抱えているかを聞き取ることです。

新人の中には自信ややる気に満ち溢れている人もいますが、多くの新人は不安を抱えています。この不安を聞き出し、共有することは非常に重要です。

聞き取ることのメリット

  • 新人に安心感を与える
    不安を話すことで心理的な安定を得られ、業務に集中しやすくなります。
  • 教育担当者にとっての理解
    新人の不安を把握することで、適切な育成計画を立てることができます。

お互いの信頼関係を構築し、効果的な教育をスタートさせるための第一歩です。

OJTが不十分な場合のリスク

OJTが適切に行われないと、新人は次のような問題を抱える可能性があります。

  1. 指示待ち人間になる
    指示がないと動けず、自発的に考えたり行動したりできなくなります。
  2. 主体性が欠如する
    自分で考える力が育たず、成長が停滞します。
  3. モチベーションが低下する
    評価されない状況が続き、やる気を失ってしまいます。

新人の成長が停滞するだけでなく、チーム全体の効率や成果にも影響を与えます。新人の将来を左右する重要な任務であることを意識しましょう。


知っておくべきこと

人が成長するためのリソース「7:2:1の法則」

人が成長するためには、次の3つのリソースがあると言われています。

  1. 直接経験(70%)
    実際の業務を通じて学ぶこと。
  2. 他者からのアドバイス(20%)
    先輩や上司からのフィードバックや指導。
  3. 本や研修(10%)
    書籍やセミナーなどからの学び。

OJTは、このうちの「直接経験」と「他者からのアドバイス」に該当し、成長の9割に影響を与える重要なプロセスです。

習慣形成の影響

人の行動の約40%は習慣によるものだと言われています。そのため、新人が良い習慣を身につけるか、悪い習慣を身につけるかは、OJT担当者の指導次第です。OJTは単なる業務教育ではなく、新人の習慣形成にも影響を与える重要な役割を担っていることを意識しましょう。


OJT担当者の4つの心得

新人を育成する際に意識すべきは、「態度」と「能力」の2つです。態度は仕事に対するマインドや行動習慣、能力は知識や技術を指します。この2つを育成するために、以下の4つの心得を意識してください。

1. OJTの目的を明確にする

新人を育成する目的をはっきりとさせましょう。「何を達成してほしいのか」「どのような人材に育てたいのか」を明確にすることで、指導方針がブレなくなります。


2. ゴールを設定する

目的を踏まえ、新人が目指すべきゴールを設定します。ゴールが明確であれば、新人も自分の進むべき道を理解しやすく、主体的に取り組むことができます。


3. 現状を把握する

新人のスキルや知識、性格、価値観を把握しましょう。新人の現状を正確に理解することで、個々に合わせた指導が可能になります。


4. ゴールから逆算して中間目標を設定する

最終ゴールを達成するために、具体的な中間目標を設定します。中間目標をクリアするたびに達成感を得られるため、新人のモチベーションが維持しやすくなります。


そのみちコメント

私がSEとして働いていた頃、社内で「OJT」という言葉は使われていましたが、十分な計画やスケジュールが整っているとは言えない状況でした。担当者に任せきりで、計画的な指導が行われていなかったのです。

もし当時、OJT担当者がしっかりと心得を持ち、計画的に指導を行えていたら、新人はより効率的に成長できたかもしれません。新人の成長を支えるためには、日常業務を通じて意図的かつ計画的に指導を行うことが重要です。

また、OJTは新人だけでなく、教育担当者である自分自身の成長にもつながります。自発的に動ける新人を育てるためにも、計画的なOJTを実践しましょう。


まとめ

OJTは、新人の成長を支えるだけでなく、担当者自身の成長を促す大切なプロセスです。以下の4つの心得を意識して、計画的にOJTを進めましょう。

  1. OJTの目的を明確にする
  2. ゴールを設定する
  3. 現状を把握する
  4. ゴールから逆算して中間目標を設定する

これらを意識することで、新人が自発的に行動できるようになり、組織全体の成長にもつながります。新人教育を「自分事」として捉え、共に成長する姿勢で取り組んでみてください。

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