
採用計画も見直さないとニューノーマルに対応できないなぁ・・

ニューノーマル時代に対応すべく3つの側面から考えてみましょう。
こんにちは、そのみちです。
採用計画をニューノーマル時代に適応させる3つのアプローチ
人事業務において、「ニューノーマル」という言葉はすっかり定着してきたのではないでしょうか。コロナ禍をきっかけに、企業を取り巻く環境は大きく変化し、経営戦略や事業戦略の見直しが求められる時代となりました。その中で、企業経営の重要な柱である「採用」についても、従来の方法からの転換が必要です。
採用目標人数が「今年は10名」と具体的に設定されていても、採用したい人材の要件を明確にせず、場当たり的に面接を進めている企業も少なくありません。これでは、ニューノーマル時代の採用戦略として不十分です。今回は、採用計画を見直すために「3つの側面」から考えるアプローチをご紹介します。
1. 定性的なアプローチ:採用したい人物像を明確にする
大手企業では、応募者数が多く採用コストも十分に確保されていますが、中小企業では応募者が限られているため、1人ひとりを慎重に見極める必要があります。そのためには、採用したい人材の要件を明確にすることが不可欠です。
人材要件を定義する2つのポイント
- 「自社らしさ」と「応募者の自分らしさ」の一致を確認する どの企業にも譲れない理念や社風があります。特に歴史のある企業ほど、こうした価値観は強く守られています。企業側はそれをしっかり応募者に伝え、応募者が共感できるかどうかを確認しましょう。
- 企業が求める要件と応募者の希望要件のギャップを見極める 自社が求める人物像の特性(能力、経験、価値観、専門性など)を具体的に定義し、それが応募者の希望と一致しているかを確認することが重要です。企業が目指す目標に合わせ、求める人物像を柔軟に見直すことも必要です。
2. 定量的なアプローチ:採用人数を適切に設定する
採用人数の設定について、前年の採用実績を基準に漠然と増減を決めている企業も多いのではないでしょうか。しかし、採用人数は経営戦略や現場の実情を踏まえて、明確に計画する必要があります。
採用人数決定の2つのアプローチ
- トップダウンでの決定 経営指標(損益分岐点や売上高など)を基に適切な人件費を算出し、経営層が決定するプロセスです。ただし、現場の声を無視した一方的な決定は、現場の不満や非効率を生む可能性があります。
- ボトムアップでの決定 現場からの「人手が足りない」「このような能力が必要」という具体的な要望を吸い上げ、求める人物像や必要人数を整理します。現場の視点を反映させることで、より実効性の高い採用計画が立てられます。
これらのアプローチを組み合わせることで、現場と経営層の双方が納得できる採用計画を策定しましょう。
3. 戦術的なアプローチ:採用施策を設計する
採用活動を成功させるためには、戦略に基づいた具体的な施策を設計することが重要です。
採用施策設計の4つのポイント
- 採用スケジュールの策定 学生の就活スケジュールは年々早まっており、特に理系学生は早期に内定を獲得して卒論や卒研に専念する傾向があります。ターゲットとする層に応じて、柔軟に採用スケジュールを立てることが必要です。
- 採用コンセプトの明確化 コロナ禍でオンライン採用が増えたことで、オンライン環境での企業の魅力発信が重要となりました。会社のビジョンやミッションを明確に伝える採用コンセプトを確立しましょう。
- 採用広報の強化 採用支援サービスを活用する場合でも、他社との差別化が重要です。特に求人票の内容が分かりやすく、かつ魅力的であることが求められます。
- 採用プロセスの改善 採用活動にもPDCAサイクルが必要です。コロナ禍によるオンライン面接の増加や転職市場の変化に合わせ、面接官の対応力を含めた採用プロセスを定期的に見直しましょう。
そのみちコメント
SEとして現場で働いていた頃、採用に対して具体的な要望を出すことはほとんどありませんでした。ただ「できる人がほしい」と抽象的な希望を抱いていただけで、求める人物像を具体化することはしていませんでした。
しかし、採用計画をニューノーマル時代に適応させるには、経営者、技術部門、営業部門など、すべての部門が採用活動に積極的に関与し、人事と連携することが必要です。特に現場の声を反映させた採用計画を立てることで、新入社員がスムーズに現場に適応しやすくなります。
企業の成長は「人」が支えています。採用活動を単なる採用人数の確保と捉えるのではなく、「人財育成」の第一歩と捉えるべきです。この機会に、自社の採用計画を見直してみてはいかがでしょうか。